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分社化のメリットとは?デメリットと「分社決定後」の実務までプロが解説

  • 7月31日
  • 読了時間: 13分
分社化のメリットとは?デメリットと「分社決定後」の実務までプロが解説

「新規事業が育ってきた。そろそろ分社化を検討したい…。」

「しかし、分社化した後、新会社の経理や労務は誰が担うのだろう?」


事業の成長や組織再編を機に、分社化を検討する企業が増えています。一方で、「新会社をどう運営していくか」という実務の情報は意外と少ないのが実情です。


実際、分社化の成否は登記後すぐに安定して運営できる管理部門体制を整えられるかが鍵となります。


本記事では、250社以上のバックオフィス支援で培った知見をもとに、分社化のメリット・デメリットに加え、登記後の実務のポイントまでわかりやすく解説します。

Contents

  1. 分社化とは?主な目的や子会社化との違いをわかりやすく解説

    ・分社化の主な目的

    ・子会社化との違い

  2. 分社化の4つのメリット

    1.意思決定が速くなる

    2. 経営リスクを分散できる

    3. 事業承継・後継者育成の受け皿になる

    4. 資金調達・提携がしやすくなる

  3. 分社化の4つのデメリット

    1. 管理部門のコストが二重になる

    2. 分社化の準備負荷が大きい

    3. ブランド・信用力が分散する

    4. グループ運営が複雑になる

  4. 会社分割による分社化の3つの手法

  5. 分社化の流れ|「登記まで」と見落としがちな「登記後」の手続き

    ・登記までの法定手続き

    ・重要なのは「登記後」の体制づくり

  6. 登記の翌日から新会社が安定稼働する|管理部門立ち上げ作業リスト

    ・経理の立ち上げ

    ・労務の立ち上げ

    ・総務・システムの立ち上げ

    ・新会社の管理部門体制は3パターン

  7. 【事例】分社化に伴う管理部門の体制構築を支援

    ・総合広告代理店A社様のケース

  8. 分社化に関するよくある質問

    Q1. 分社化後、最初に着手すべき実務は何ですか?

    Q2. 親会社のシステムはそのまま使えますか?

    Q3. 新会社の管理部門を外部に委託する場合、どこまで任せられますか?

    Q4. 新会社の管理部門には、何人必要ですか?

  9. まとめ|分社化を成功させるポイントは管理部門設計

  10. 新会社の管理部門立ち上げは、プロに任せてみませんか?



分社化とは?主な目的や子会社化との違いをわかりやすく解説

分社化とは、自社の事業の一部を切り出し、独立した会社として運営する経営手法です。新会社の株式は親会社が保有するケースが一般的で、グループ会社の一つとして事業を展開します。


■分社化の主な目的

分社化を行う主な目的は、次の4つです。


1.新規事業の独立:本業とは異なるスピード感が求められる事業を、機動力のある組織で運営する

2.事業承継・後継者育成:後継者候補に一つの会社を任せ、実践を通じて経営経験を積んでもらう

3.選択と集中:主力事業と成長事業を分け、それぞれに適した経営資源を配分する

4.リスクの分離:新規事業や不採算事業のリスクを本業から切り離し、グループ全体への影響を抑える


■子会社化との違い

分社化と子会社化は混同されやすい言葉ですが、対象が異なります。


分社化

子会社化

対象

自社の中の事業を切り出す

外部の会社を傘下に入れる

主な手段

会社分割・現物出資など

株式取得(買収)・株式交換など

結果

自社事業が新しい子会社になる

既存の他社が子会社になる


「社内の事業を外に出す」のが分社化「社外の会社を中に入れる」のが子会社化です。


分社化の4つのメリット

1. 意思決定が速くなる

新会社は組織が小さく、責任と権限が明確です。稟議や部門調整に時間のかかる大組織から切り離せば、環境変化に素早く対応できます。しかし、分社化の効果を最大化するには、決裁権限や承認フローも新会社に合わせて見直すことが重要です。


2. 経営リスクを分散できる

法人格が分かれるため、新会社での損失やトラブルがあった場合に、親会社や他事業への影響を一定の範囲に抑えられます。一方で、親会社への依存が大きい運営体制では、リスク分散の効果が限定的になる場合もあります。


3. 事業承継・後継者育成の受け皿になる

会社を丸ごと任せる前に、切り出した一事業を後継者候補に任せれば、実地で経営経験を積んでもらえます。複数の候補や親族に事業ごとに承継させる選択肢も広がるでしょう。予算管理や採用などの権限も移譲すれば、より実践的な経営経験につながります


4. 資金調達・提携がしやすくなる

事業が独立すると、その事業単体の成長性を見た出資や融資を受けやすくなります。「この事業だけに出資したい」という投資家や事業会社と組めるのは分社化ならではです。事業内容が明確になり、採用や営業での専門性の訴求にもつながります



分社化の4つのデメリット

メリットの一方で、分社化には確実に発生するコストと手間があります。特に1つ目は、分社化を経験した企業が最も苦労するポイントです。


1. 管理部門のコストが二重になる

会社が2つになるということは、経理・労務・総務などの管理業務も2社分になります。決算や給与計算、社会保険手続き、システム利用料など、継続的な運営コストが増える点は避けられません。 そのため、分社化の前に、管理部門を自社で持つのか、親会社で兼務するのか、外部サービスを活用するのかまで検討しておくことが重要です。


2. 分社化の準備負荷が大きい

分社化では、会社分割に伴う法定手続きだけでなく、新会社の運営開始に向けたさまざまな準備が必要です。分割計画書の作成や登記、各種届出に加え、口座開設やシステム整備、契約の切り替えなど、短期間で対応すべき項目は少なくありません。分社化を円滑に進めるには、法務・税務だけでなく、登記後の実務も見据えた計画が重要です。


3. ブランド・信用力が分散する

新会社は設立したばかりの法人として扱われるため、親会社で築いた実績や信用をそのまま利用できない場合があります。取引先や金融機関への説明、親会社との役割分担をあらかじめ整理しておくと、立ち上げ後の混乱を防ぎやすくなります。


4. グループ運営が複雑になる

会社が増えることで、親子会社間の取引や費用負担、意思決定のルールなど、新たな管理が必要になります。運営ルールを曖昧にしたまま分社化すると、かえって意思決定が遅くなることもあるため、会社間の役割分担やルールの設計も欠かせません



会社分割による分社化の3つの手法

分社化の代表的な手法は「会社分割」で、次の3つの型があります。

手法

内容

向いているケース

新設分割

自社の事業を切り出し、新会社へ承継する

新規事業を独立させたい

共同新設分割

複数社が事業を持ち寄って新会社を設立する

ジョイントベンチャー(JV)を設立したい

吸収分割

既存会社へ事業を承継する

既存のグループ会社へ事業を集約したい


どの手法を選ぶかによって、手続きや税務上の取り扱いは異なります。自社に適したスキームは、目的やグループ構成を踏まえて専門家と検討しましょう。



分社化の流れ|「登記まで」と見落としがちな「登記後」の手続き

■登記までの法定手続き

会社分割による分社化は、おおまかに次のステップで進みます。


1. 分社化の目的・対象事業の整理

2. スキーム設計(手法・税務の検討。専門家に相談)

3. 分割計画書の作成

4. 従業員への通知・労働組合との協議(労働契約承継法に基づく手続き)

5. 債権者保護手続き(官報公告など)

6. 株主総会の特別決議

7. 分割の登記・新会社の設立登記


■重要なのは「登記後」の体制づくり

見落とされがちなのは、登記が完了した瞬間から、新会社には管理部門がないまま業務が発生し始めるという事実です。


初月から給与を払い、請求書を発行し、経費を精算し、帳簿をつけ、社会保険の手続きにも期限があります。しかし、切り出された事業部門には営業やエンジニアはいても、経理や労務の担当者がいないケースがほとんどです。


分社化の計画には、法定手続きと並行して「新会社の管理部門をどう立ち上げ、誰が回すか」を必ず含めてください。次の章では、具体的に何をすべきかを整理します。



登記の翌日から新会社が安定稼働する|管理部門立ち上げ作業リスト

ここからは、250社以上の管理部門支援と新設法人の体制構築の経験をもとに、登記後に必要な実務を領域別に整理します。


■経理の立ち上げ

- 法人口座の開設:審査に数週間かかるため最優先。登記事項証明書の取得後すぐ申し込む

- 会計ソフトの選定・期首設定:勘定科目・部門設計を親会社と揃えるか、新会社に最適化するかを決める

- 請求・支払フローの構築:請求書の発行体制、支払承認のルール、経費精算の仕組み

- 税務顧問の契約と各種届出:法人設立届出書、青色申告の承認申請など、期限のある届出を確認


■労務の立ち上げ

- 社会保険・労働保険の新規適用:年金事務所・労基署・ハローワークへ新規適用。従業員の資格取得手続きには期限があるため登記後すぐ着手

- 給与計算体制の構築:給与計算を誰がどのツールで行うか。締め日・支払日の設計

- 就業規則・36協定の整備:新会社として労基署に届け出る。親会社の規則を流用できるかの確認も必要

- 転籍者の手続き:会社分割では従業員の労働契約は原則そのまま承継されますが、社会保険等の切り替え手続きは発生します


■総務・システムの立ち上げ

- SaaS・システム契約の分割:会計・給与・勤怠・グループウェアは法人単位の契約が基本のため、新会社での契約し直しやライセンスの付け替えが必要

- メール・ドメイン・アカウントの整備:新会社のドメイン取得、メールアドレスやアカウントの発行

- 許認可・各種届出の確認:事業に必要な許認可が新会社に引き継がれるか(引き継げず再取得が必要なものもあります)


見方を変えれば、新会社は「白紙の状態」から管理部門を設計できるチャンスでもあります。親会社が長年つぎはぎしてきたシステムや業務フローを引きずらず、最初から連携前提でSaaSを選べば、親会社より効率的な体制も構築可能です。


■新会社の管理部門体制は3パターン

デメリットの章で触れた「管理コストの二重化」は、管理部門の持ち方の設計で大きく変わります。選択肢は3つです。

比較項目

①自前で採用する

②親会社が兼務・シェアードで支える

③外部(アウトソース・BPO)を活用する

立ち上げの速さ

✕(採用に数ヶ月)

◎(すぐ始められる)

◎(数日〜数週間)

コスト

✕(固定人件費+採用コスト)

〇(ただし親会社側の負担増)

◎(必要な分だけの変動費)

新会社の独立性

△(親会社依存が残る)

ノウハウの蓄積

△(親会社に留まる)

△〜〇(マニュアル化まで依頼すれば残る)

属人化リスク

△(担当者退職で停止)

△(兼務者の負荷次第)

〇(複数名体制なら低い)


①自前で採用する

このパターンは、新会社の規模が大きく、専任を置くだけの業務量が最初からあるケースです。ただし経理・労務人材の採用は今難易度が高く、数ヶ月かかることもあります。


②親会社が兼務・シェアードで支える

立ち上がりが速い一方、親会社の管理部門の負荷が静かに増え続け、「分社化したのに親会社が疲弊する」本末転倒が起きがちです。意思決定の独立というメリットも薄れます。


③外部(アウトソース・BPO)を活用する

このパターンは、業務量がまだ読めない立ち上げ期と相性の良い選択肢です。経理・労務の実務を外部に任せれば、専任を雇わず初月から回せます。その後の業務量の変動にも柔軟に対応可能な点もメリットでしょう。


重要なのは、登記後に管理体制を考えるのではなく、企画の段階で「誰が・何を・どのように担うか」を設計しておくことです。立ち上げ期は業務量を見極めにくいため、必要な業務は外部の専門家を活用し、事業の成長に応じて体制を段階的に整えていくのが現実的でしょう。



【事例】分社化に伴う管理部門の体制構築を支援

分社化をする企業では「登記後に管理部門のない新会社をどう回すか」という課題が生じます。ここでは、レジリエント株式会社が新設法人の管理部門体制構築を支援した実例を紹介します。


■A社様のケース(業種:総合広告代理店 従業員規模:300名以上)

課題

分社化を3ヶ月後に控えたA社様では、新会社の管理部門体制や導入するSaaSが決まっていない状態でした。また、新会社で導入した仕組みを将来的に親会社へ展開することも視野に入れ、より効率的な管理部門の構築を目指していました。


支援ポイント

当社では、分社化に適したSaaS構成の提案・導入から、親会社からのデータ移行、管理部門業務の設計までを一貫して支援。さらに、コンパクトな管理部門の体制構築と経理BPOを組み合わせることで、分社化時の負荷を抑えながら、短期間で新会社の業務を円滑に開始できる体制を実現しました。



分社化に関するよくある質問

Q1. 分社化後、最初に着手すべき実務は何ですか?

A. 法人口座の開設、社会保険・労働保険の手続き、会計・給与システムの設定は優先して進める必要があります。これらは給与支払いや請求・支払いなど日々の業務に直結するため、準備が遅れると新会社の運営にも影響します。登記前からスケジュールを整理し、必要な準備を進めておくことが重要です。

Q2. 親会社のシステムはそのまま使えますか?

A. 利用できるケースもありますが、法人単位で契約が必要なSaaSでは、新会社として契約を結び直す必要があります。また、会計ソフトや給与システムは、親会社とのデータ連携や運用方法も考慮して選定することが重要です。分社化は、システムや業務フローを見直す良い機会にもなります。

Q3. 新会社の管理部門を外部に委託する場合、どこまで任せられますか?

A. 記帳や給与計算、請求・支払業務などの日常業務だけでなく、会計・労務システムの導入や業務フローの設計まで支援するサービスもあります。立ち上げ期は必要な業務だけを外部へ委託し、事業の成長に合わせて内製化していく方法も有効です。

Q4. 新会社の管理部門には、何人必要ですか?

A. 立ち上げ期であれば、必ずしも専任担当者を配置する必要はありません。業務量に応じて親会社との役割分担やBPOを活用すれば、専任者を置かずに経理・労務を運営することも可能です。事業規模や業務量の拡大に合わせて、段階的に体制を整えていくのも現実的な手法でしょう。


まとめ|分社化を成功させるポイントは管理部門設計

分社化は、意思決定の迅速化やリスク分散、新規事業の独立など、多くのメリットが期待できる経営手法です。一方で、新会社の管理部門をどのように立ち上げるか、いかにコストを抑えるかは、多くの企業が直面する課題でもあります。


重要なのは、登記をゴールにせず、分社化を決めた段階から「誰が・何を・どのように担うのか」を設計しておくことです。管理部門の体制には、自社採用・親会社との兼務・BPO活用など複数の選択肢があり、自社の事業規模や成長フェーズに合わせて最適な形を選ぶことが、分社化を成功へ導くポイントになります。


また、新会社は白紙の状態から管理部門を設計できる貴重な機会です。 親会社の業務フローやシステムをそのまま引き継ぐのではなく、SaaSやBPOを活用しながら効率的な管理体制を構築することで、今後の事業成長を支える基盤づくりにつながるでしょう。



新会社の管理部門立ち上げは、プロに任せてみませんか?

分社化では、会社を設立することだけでなく、登記後の管理体制まで見据えた準備が欠かせません。


レジリエント株式会社では、バックオフィス支援サービス「オフィス番」を通じて、分社化や子会社設立、JV設立に伴う管理部門の立ち上げを支援しています。250社以上の支援実績をもとに、SaaSの選定・導入から業務設計、経理・労務BPOまで一貫して対応し、新会社がスムーズに業務を開始できる体制づくりをサポートします。


  • 分社化を検討しているが、管理部門をどう設計すればよいかわからない

  • 新会社の経理・労務を誰が担うか決まっていない

  • 管理部門の採用をせずに立ち上げたい

  • 親会社も含めて、バックオフィス全体を効率化したい


このような課題をお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。


まずはサービス資料をご覧いただき、支援内容や導入事例をご確認ください。


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また、「自社の場合はどのような体制が適しているか相談したい」という段階でのお問い合わせも歓迎しています。












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