top of page

決算早期化を実現する方法|遅れる原因と業務改善の5ステップを解説

  • 7 日前
  • 読了時間: 10分

タイトル:決算の早期化を実現する方法

「月末月初になると、通常業務が止まるほど決算作業に追われる」

「経営会議までに数字を出したいのに、請求書や経費申請がそろわない」


中小企業では、月末月初に決算作業が集中し、通常業務まで手が回らなくなることがあります。少人数の経理部門では、仕訳入力や入金消込、残高確認が一部の担当者に偏り、残業が続くケースも少なくありません。


決算が遅れるのは、経理担当者の処理に時間がかかるからとは限りません。請求書や経費申請が届かなければ仕訳を進められず、売上や仕入が確定しなければ数字も締められないためです。承認や他部門からの回答を待つ時間も、決算完了を遅らせます。


本記事では、決算早期化の目的とメリット、決算が遅れる4つの原因、改善の5ステップを解説します。SaaS・BPOの活用方法と注意点も紹介します。


【経理部門の業務課題やリソース不足にお悩みのご担当者へ】

レジリエント株式会社は、これまでに大企業からスタートアップ、ジョイントベンチャーまで、さまざまな企業のバックオフィスを支援してきました。

経理部門の課題解決にも、専門チームが柔軟にサポートします!


決算早期化とは?目的とメリットを解説

決算早期化の目的は、売上や利益、資金の状況を早く確定し、予算との差や資金不足に早く気づくことです。数字が早く分かれば、支出の見直しや資金調達にも早く動けます。


単に決算書の完成日を早めるのではなく、早く確定した数字を次の行動に使うことが目的です。ここでは、決算早期化の目的とメリットを解説します。


月次決算・年次決算を早期化する目的

月次決算では、1か月ごとの売上、費用、利益などを集計し、予算との差や部門別の収益を確認します。利益率の低下や費用の増加を早く把握できれば、原因を調べ、販売価格や支出の見直しが可能です。


年次決算では、1年間の経営成績や財政状態を確定し、税務申告や金融機関などへの説明に必要な資料を作成します。


決算早期化によって得られるメリット

決算が早くまとまれば、売上や利益の落ち込み、費用の増加、資金不足の兆候を早い段階で確認できます。


主なメリットは次のとおりです。

  • 経営判断に必要な数字を早く把握できる

  • 予算と実績の差に早く対応できる

  • 資金繰りや収益状況を確認しやすくなる

  • 月末月初に集中していた作業を分散しやすくなる

  • 金融機関から試算表や決算書を求められた際に、早く提出できる


ただし、提出期限だけを早めると、各部門は通常業務の途中で書類を準備することになり、後から修正や差し戻しが増える場合があります。


経理担当者の確認作業も増えるため、提出日を変えるだけでは不十分です。日々の入力方法や承認手順も見直し、月末に書類や確認作業が集中しないようにする必要があります。



決算早期化を妨げる4つの原因

決算を遅らせる主な原因は、請求書や経費申請の遅れ、データの再入力、確認・承認待ち、業務が一人に偏ることです。経理部門だけでなく、書類を提出する各部門や承認者も含めて見直す必要があります。ここでは、4つの原因を解説します。


1.請求書や経費申請などが期限までに集まらない

決算に必要な書類やデータが集まらなければ、経理部門は数字を確定できません。


たとえば、次のような状態です。

  • 請求書が経理へ届かない

  • 経費申請が月末に集中する

  • 売上や仕入の計上時期が確定しない

  • 検収状況を確認できない

  • 部門ごとに提出期限の認識が異なる


毎月同じ部門へ催促しているなら、提出先と締切を明文化し、誰が承認して経理へ渡すのかまで決め直しましょう。


2.手入力やExcelへの転記が多い

同じデータをExcelや会計システムへ何度も入力していると、処理と確認の時間が増えます。


主な例は次のとおりです。

  • 紙やPDFの内容を手入力する

  • CSVを毎月加工する

  • 複数のExcel台帳へ転記する

  • 銀行明細と売掛金一覧を目視で照合する

  • 集計結果を決算資料へ転記する


同じ情報をどこで何回入力しているのかを洗い出し、入力先の一本化やCSV連携によって転記を減らします。


3.個別対応や確認作業に時間がかかる

決算を遅らせやすいのは、処理方法が決まっていない取引や不明点の確認です。


  • 入金額と請求額に差がある

  • 勘定科目や計上先を判断できない

  • 売上や仕入の計上時期が不明

  • 部門責任者の承認が終わっていない

  • 前月から増減した理由が分からない


差額や計上時期について誰に確認するのか、いつまでに回答してもらうのかが決まっていなければ、数字を締められません。よく起きるケースごとに、判断基準と確認先を決めておきましょう。


4.特定の担当者に業務が集中し、改善する余裕がない

複雑なExcelの更新や決算整理仕訳などが特定の担当者に集中すると、不在時に業務が止まるおそれがあります。


処理方法が共有されていない状態で、担当者が日常業務と決算対応に追われていると、手順書の作成やほかの担当者への引き継ぎに使う時間も確保できない状態です。その結果、「決算が遅れているが、見直す余裕もない」という状況が続きます。



決算早期化を実現する5つのステップ

決算を早めるには、どの作業がどこで止まり、誰の確認を待っているのかを調べます。ここでは、業務の一覧化から期限・担当者の見直し、新しい方法を試すまでを5つのステップで解説します。


ステップ1:決算に必要な業務を洗い出す

まず、月次・年次決算に必要な業務を一覧にします。

決算に必要な業務

完了期限

主な担当・関係部門

止まりやすい点

請求書を確認する

自社の締切まで

経理・請求書を提出する各部門

請求書が届かない

経費申請を確認する

翌月○日まで

経理・申請者・承認者

申請や承認が終わらない

売上・仕入を確定する

翌月○日まで

営業・購買・経理

計上時期や検収状況が分からない

仕訳を入力する

翌月○日まで

経理

必要な資料や回答がそろわない

残高を確認する

翌月○日まで

経理

入金消込や仕訳入力が終わらない

報告資料を作成する

経営会議前

経理責任者

数字が確定していない


このように業務を並べると、経理の作業に時間がかかっているのか、書類の提出や他部門からの回答を待って止まっているのかを確認できます。


ステップ2:決算を遅らせている工程を特定する

次のような工程を確認します。


  • 作業自体に時間がかかる

  • 他部門からの提出待ちがある

  • 判断・承認待ちがある

  • 毎月同じ修正や差し戻しが起きる

  • 同じ情報を複数回入力している

  • 特定の担当者しか対応できない


後の作業を何日も止めている工程や、毎月差し戻しが発生している工程から優先して直します。


ステップ3:各工程の期限と担当者を明確にする

各工程について、提出期限、処理期限、担当者、確認者を決めます。


  • 請求書の提出日

  • 経費申請の期限

  • 売上・仕入の確定日

  • 入金消込の完了日

  • 部門責任者の承認日

  • 経営報告資料の完成日


各部門が通常業務のなかで守れる期限を設定することが大切です。期限に間に合わない場合の連絡先と、担当者が不在のときに代わって処理する人も決めておきましょう。


ステップ4:繰り返し作業を標準化・自動化する

毎月繰り返す作業は、手順をそろえてから自動化を検討します。


  • 定型仕訳を登録する

  • 請求書や経費申請を電子化する

  • 銀行明細と会計システムを連携する

  • 入金消込や債権管理を効率化する

  • Excelへの二重入力を減らす

  • 集計表や報告資料の形式を統一する

  • 操作手順や判断基準を共有する


新しいシステムを導入しても、既存のシステムやExcelとの間でデータを移し替える作業が残れば、決算は十分に早まりません。導入前に、なくす入力作業やExcel台帳を決めておきましょう。


ステップ5:実際に試し、継続できる形に改善する

見直した方法は、一部の業務や部門から試します。

確認する項目は次のとおりです。


  • 決算完了までの日数

  • 各工程にかかった時間

  • 修正・差し戻しの件数

  • 提出期限の達成状況

  • 担当者の残業時間

  • 残っている手作業や二重入力


試した結果を見ながら期限や役割分担を調整し、翌月も同じ手順で処理できる状態にします。



決算早期化にSaaS・BPOを活用する方法

Excelへの再入力や集計が多い場合はSaaS、月末月初に処理する人が足りない場合はBPOが候補です。


一方、請求書の提出や承認が遅れている場合は、ツールを入れる前に締切や役割分担を直す必要があります。ここでは、それぞれの役割と使い分けを説明します。


課題

対応方法

導入・実施時に行うこと

注意点

請求書の提出や承認が遅い

業務ルールを見直す

提出期限、提出方法、承認者を決める

関係部門と無理のない日程を調整する

Excelへの再入力や集計が多い

SaaSを導入する

申請項目、承認経路、連携するシステム、利用者を設定する

従来のExcelや入力作業をどこまで廃止するか決める

月末月初に処理する人が足りない

BPOを利用する

委託する業務を切り分け、作業手順や確認方法を委託先と共有する

社内で判断する業務と連絡先を決める

システム導入と日々の処理の両方に課題がある

SaaSとBPOを組み合わせる

システムの設定と、社内・委託先の役割分担を決める

導入後の管理責任者を明確にする


システムを導入しても決算が早まらないケース

システムを導入しても、二重入力や複雑な承認フローが残れば、決算の遅れは解消しません。

主なケースは次のとおりです。


  • 従来のExcel台帳を残している

  • データが複数のシステムに分散している

  • マスターデータが整っていない

  • 承認の段階や確認者が多い

  • 例外処理の判断者が決まっていない

  • 操作できる担当者が限られている


導入前に、残すExcel台帳、なくす入力作業、省ける承認工程を決めておきます。


BPOの活用が向いているケース

BPOが向いているのは、次のような企業です。


  • 少人数で日常業務を処理しきれない

  • 月末月初に作業が集中している

  • 特定の担当者へ業務が集中している

  • 改善を進める人員がいない

  • 定型作業に追われている

  • 担当者の退職や不在に備えたい


記帳や請求書処理を外部へ委託すれば、社内の担当者は、差額や計上時期の判断、経営資料の確認に時間を回せます。ただし、委託先が判断できない取引を誰が確認するのかは、社内で決めておきましょう。



決算早期化を進める際の注意点

確認を省いて決算を急いだり、提出期限だけを前倒ししたりすると、修正や差し戻しが増えます。数字の正確さを保ち、翌月も同じ手順で処理できる方法にすることが大切です。ここでは、3つの注意点を解説します。


正確性を犠牲にして決算完了を急がない

確認を省いて数字を早く確定しても、修正仕訳や資料の差し替えが増えれば、経営判断に使いにくくなります。毎月同じ内容を確認している箇所は、確認項目を決めたり、システムでチェックしたりして時間を減らしましょう。


経理部門から他部門へ負担を移さない

提出期限を一方的に早めると、他部門の負担が増え、ルールが守られなくなることがあります。何をいつまでに提出するのかを明確にしたうえで、入力項目を減らす、申請方法を簡単にするなど、提出する側の手間も減らします。


早期化そのものを目的にしない

「何営業日で終えるか」は改善の目安ですが、確定した数字を経営に生かすことが本来の目的です。誰がいつ数字を確認し、予算超過への対応や資金調達の判断に使うのかまで決めておきましょう。



まとめ|決算早期化は業務の流れと体制の見直しから始めよう

決算を早めるには、経理担当者が月末に作業を詰め込むのではなく、請求書や経費申請がいつ届き、誰が承認し、どこへ入力するのかを整理する必要があります。


まずは決算に必要な作業を一覧にし、提出待ちや二重入力で止まっている工程を探すことが第一歩です。そのうえで、締切と担当者を決め、繰り返し作業を減らしましょう。


社内だけで処理しきれない場合は、SaaSやBPOも選択肢です。担当者が変わっても同じ手順で決算を進められるよう、作業方法と判断基準を共有しておきましょう。



決算業務の可視化・改善なら「オフィス番」

決算早期化には、経理部門の作業だけでなく、書類提出、社内承認、データ連携まで含めた見直しが必要です。しかし、通常業務と並行して改善を進めるのは容易ではありません。


レジリエントの「オフィス番」では、決算・経理業務の手順や担当者を整理し、締切や承認ルートを見直す取り組みを支援します。SaaSの選定・初期設定に加え、記帳や請求書処理など、日々の経理業務の支援も得意分野の一つです。


決算業務の遅れや月末月初の業務集中、属人化にお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。


バックオフィス支援サービスの全体像やサポート体制が詳しく分かる資料のダウンロードはこちら

bottom of page